悪童ルイス・ネリ、9回KO勝利 井上尚弥が70秒で倒したパヤノとの元王者対決で完勝

スポーツ報知
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◆プロボクシング ▽WBCシルバー・バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇ルイス・ネリ(9回KO)フアンカルロス・パヤノ●(20日、米ネバダ州ラスベガス MGMグランドガーデンアリーナ)

 前WBC世界バンタム級王者で同級1位ルイス・ネリ(24)=メキシコ=が、元WBA世界同級スーパー王者フアンカルロス・パヤノ(35)=ドミニカ共和国=を9回KOで下し、WBCシルバー同級王座の防衛に成功した。ネリの戦績は30戦全勝(22KO)、パヤノは21勝(9KO)3敗となった。

 元チャンピオン同士の一戦は、初回は様子見をしていたネリがラウンドを重ねるごとにコンビネーションで手数を増やし、プレッシャーを強めていった。パヤノも開始から手を出し続け、強打のネリに対抗。中盤まで互いに近距離でパンチ交換する展開が続いた。

 そして9回。ネリがパヤノをコーナーに追い込むと、連打から左ボディーフックを打ち込み、先制ダウンを奪った。崩れ落ちるように倒れたパヤノはキャンバスで大の字となり、そのままカウントアウトされた。

 ネリは20日(日本時間21日)の前日計量で、1回目はリミットを0・5ポンド(約227グラム)超過し、1時間の再計量でリミットの55・3キロでクリアした。WBC世界バンタム級王者時代の昨年3月、東京で行われた山中慎介帝拳)とのタイトルマッチでは前日計量を1・3キロオーバーで失敗し、王座はく奪処分となった。

 翌日行われた試合は2回TKO勝ちしたが、日本ボクシングコミッションは、ボクシングの競技性の信用を著しくおとしめたとして、ネリを国内から事実上の永久追放処分とした。

 パヤノは昨年10月にワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)1回戦で、WBA・IBF同級王者の井上尚弥(大橋)に1回70秒KO負け。今回が再起2戦目だった。

 WBCバンタム級をめぐっては現在、ダイヤモンド王者で世界5階級制覇のノニト・ドネア(フィリピン)、正規王者はノルディ・ウーバーリ(フランス)、暫定王者に井上拓真(大橋)と3人の王者が存在している。