NGT48暴行事件でファン男性側「山口さんとつながり」と主張 損賠訴訟

産経新聞
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 新潟を拠点に活動するアイドルグループ「NGT48」の元メンバー、山口真帆さん(24)に対する暴行事件をめぐり、運営会社「AKS」(東京)が、暴行容疑で逮捕された男性ファン2人=不起訴=に3千万円の損害賠償を支払うよう求めた裁判で、男性が山口さんと私的な“つながり”があったと主張していることが24日、分かった。男性側は暴行はしていないと主張した上で、男性の言動とAKS側の損害には因果関係がないとして争う構えを示している。

 男性側が新潟地裁に提出した準備書面によると、男性は平成29年2、3月ごろ、NGT48の握手会で「運営(AKS)を介さずにプレゼントを贈ったりしたいので、私的に会ってほしい」と話し、山口さんは了承。山口さんは新潟市内の自宅マンションや携帯の電話番号を教え、ツイッターで次のライブで歌う曲名やレッスンの状況といったグループの内部情報を伝えるなどしていた、と主張している。


 男性は山口さんのファンだったが、山口さんと親しくなっていった経緯などの説明は準備書面には記載されていない。

 また、29年4月ごろ、男性は山口さんと同じマンションの別室に転居。廊下で会ったり、衣服やアクセサリーをプレゼントするなどしたとしている。

 しかし、同年秋には、山口さんは“つながり”が発覚することを恐れて連絡をしなくなった。男性は30年10、11月に計2回、握手会で山口さんと会い、疎遠になった理由を尋ねた。山口さんは、自分と男性が「つながっている」とほかのメンバーから言われたことを告げ、「噂になったら困る。怖い」「応援してくれるのはありがたいし(男性)のことは嫌いじゃない。助けてくれるのはうれしいけど、噂もあるから、やっぱり不安だ」などと話したとしている。

 NGT48では、メンバーがファンと個人的に会うことなどが禁止されており、発覚すると処分を受けることがある。

 男性は握手会のために80万円を用意し、山口さんとの握手券(1枚1千円)を800枚入手して握手会に参加。握手券は1枚で10秒会える権利があり、男性は山口さんと8千秒(約2時間13分)間話せたという。

 その後、男性は事件当日の30年12月8日、山口さんに関係の修復を求めて話し合おうとして、友人の男性と山口さんが住むマンションで待機。現場では、山口さんの部屋の玄関のドアを友人と山口さんが引っ張り合っただけで、山口さんが主張する「顔をつかむ」などの暴行はなかったとしている。

 AKS側は、男性が事件直後、他のメンバーが事件に関与していることを認めたことから、グループのメンバーの信頼関係が損なわれるなどして劇場公演やツアーが中止に追い込まれ、計1億円以上の損害が発生したと主張。このうち3千万円を賠償するよう求めている。

 この裁判では、20日に進行協議が同地裁(篠原礼裁判長)で開かれ、男性側は準備書面を提出。AKS側の弁護士は、準備書面の内容について「何が真実か分からない。客観的証拠を出して立証してもらいたい」とコメントしていた。

 男性2人は昨年12月8日夜、新潟市内の山口さんの自宅マンション玄関先で、山口さんの顔をつかんで押したなどとして、新潟県警に暴行容疑で逮捕された。新潟地検は同月28日、2人を不起訴処分にしている。

 AKSは24日、産経新聞の取材に対し、男性側の準備書面について「具体的な証拠が出ていないので判断できないが、事件の真実を引き続き追求していきたい」と話した。山口さんが現在所属する芸能事務所「研音」は「担当者が外出している」としており、同日午後1時半現在、コメントは得られていない。