星稜の奥川、余力残した94球完封=初回に全開、153キロ-高校野球

時事通信ニュース
f:id:dTrip:20190807223232j:plain

 甲子園のスタンドがどよめいた。星稜の奥川が立ち上がり、「相手の勢いをそぐために」アクセルを全開にした。先頭打者は追い込んだ後、この日最速の153キロでバットに空を切らせる。後続も寄せ付けず、3者連続三振の幕開け。「球場の雰囲気を変えるのは大事」。事もなげに言った。

 大会屈指の右腕。相手から徹底的に研究されることには慣れている。二回以降は球速や三振にはこだわらなかった。早打ちで速球狙いの旭川大打線。落差のあるスライダーやフォークを織り交ぜ、緩急でかわした。

 1-0のしびれる展開にも余力があった。3安打、94球での完封勝利。三塁を踏ませなかった。リードした山瀬は「持ち球を全部使わなくても抑えられた」と振り返った。

 高みを目指す奥川の自己評価は厳しい。変化球の精度、フォームの感覚。「ベストが100だとしたら半分ぐらい」。相手の打ち損じに助けられたとの思いもある。甲子園の厳しさを知る右腕は「もっとやらないと」。早くも次戦に目を向けた。