【岩手】省エネ佐々木が優位 24日大船渡VS一関工

スポーツ報知
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 岩手大会は休養日。大船渡の163キロ右腕・佐々木朗希(3年)が臨む24日の準決勝(対一関工)の戦いを、アマ野球担当キャップの山口泰史記者が「占った」。

 大船渡の鍵を握るのは、言うまでもなく佐々木の右腕だ。21日の盛岡四との4回戦で160キロをマーク。延長12回で21奪三振、194球の力投がダメージを残したことは間違いない。それでも、準々決勝で温存され、2日間を回復に充てた。万全に近い状態なら、準決勝での大船渡の優位は動かない。おそらく準決勝、決勝ともに登板し、悲願の甲子園を狙いにいくと見る。

 昨秋は1回戦から準決勝まで、8日間で4試合(2回戦は7回コールド)に完投。準決勝の盛岡大付戦で7失点と打ち込まれ、股関節を痛めて翌日の3位決定戦は先発を回避した。しかし「体が強くなりましたし、ベストコンディションに持って行く方法も学んで、去年とは疲れ方も違う」。大会終盤に余力がなかった、昨秋との違いを強調している。

 準決勝の相手・一関工は3回戦で今春センバツ出場の盛岡大付を撃破。その後も、接戦を勝ち上がって勢いに乗るチームだ。投手陣は右の金子慎悟(3年)と左の平野拓夢(3年)の2枚看板。強打の盛岡大付を9回6安打3失点に抑えたのは、背番号10の平野だ。

 大船渡は決勝で第1シード花巻東と対戦する可能性もあり、準決勝でいかに余力を残せるかも重要。出力を落としての投球が考えられるが、勢いのあるチームに先行を許せば、難しい試合になるだろう。あるスカウトは「春から佐々木くんが注目されたことで、大船渡は他の選手もレベルアップしている」と指摘。佐々木に負担をかけずに準決勝を突破できれば、甲子園がより現実味を帯びてくる。

 

 ◆佐々木の今夏VTR

 ▽2回戦(16日、14―0遠野緑峰) 先発し「6割ぐらい」の力で最速147キロ。2回完全2奪三振、わずか19球でマウンドを降りた。4番打者としても初回に先制の右越え2点三塁打。5回コールド勝ち。

 

 ▽3回戦(18日、10―0一戸) 6回コールドで参考ながら公式戦初のノーヒッター。日米13球団が見守る中、「少しギアを上げた」と最速155キロの直球を軸に13奪三振と圧巻の投球。

 

 ▽4回戦(21日、4―2盛岡四) 夏の公式戦最速タイの160キロをマーク。今大会初失点したものの、194球を投げ抜き毎回の21奪三振。延長12回には自ら右越えの決勝2ランを放ち試合後は感極まった。

 

 ▽準々決勝(22日、6―4久慈) 疲労が考慮され欠場。「仲間を信じて」声援を送り続け、チームは2戦連続となった延長戦で、11回に2点を勝ち越し13年ぶりの4強入り。