酷評背負った“真犯人”西野七瀬 女優としての才能はあるのか? 

AERAdot.
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 9月8日に放送された「あなたの番です―反撃編―」(日本テレビ系)最終回の平均視聴率が19.4%となり、自己最高を記録して有終の美を飾った。当日は動画配信サービスhuluでも一時、アクセスが集中して見られなくなるなど、7~9月クールでも屈指の人気を見せた。一方で、最終回がもやもやとした謎を残したまま終わるなど、不満の声もあがっている。その批判の矢面に立っているのが西野七瀬(25)だ。彼女の演技があまりに“ダイコン”で、ドラマに集中しづらかったなどの声がSNS等で相次いでいるのだ。



 たしかに同作は、ここ1~2年で一気にトップ俳優の仲間入りした田中圭と、ベテラン女優の原田知世という実力ある役者がダブル主演をつとめ、それ以外でも竹中直人木村多江といったクセのある役者、新星、横浜流星など見どころが目白押しだった。もちろん西野も元乃木坂46の人気をひっさげての出演だったが、これら名優に囲まれると、実力が伴っていなかった感は否めない。

「もちろん若手の俳優なので賛否両論あると思いますが、個人的には見ているのが辛かったです。西野の場合、どうしてもセリフを追いかけてしまっているので、シリアスなシーンで物語に入りづらくなっちゃうんです。“普通の人”の演技って一番難しいので、真犯人の役を与えたにはある意味正解だったのかもしれません。演技が未熟な役者にはサイコパスな役をやらせるとうまくギャップが演出できて、演技が下手でもごまかせるというのはある。ドラマ全体としては演出勝ちだったと思います」(民放ドラマ制作スタッフ)

 プロの目から見ても厳しい部分はあったとことは事実のようだが、それでも圧倒的な人気グループの元センターとして“太客”がついてることは、十分に起用の理由になる。

「とにかく美人ですし、アイドルに限らず若手女優にはアンチが必ずいるものです。最終回の数字(視聴率)もすごかったですし、固定ファン以外にも認知されたので、西野も今後は活動の幅が広がってくるんじゃないでしょうか。あと、なんと言っても秋元康というエンタメ界隈に絶大な実績と影響力と持つ後ろ盾がついていますからね。西野が秋元さんの“スペオキ”であることは業界の人間なら誰でも知っています。秋元さんって西野のようなスレンダーで性格がちょっと根暗な子が好きですよね(笑)。いかに彼女の演技力が未熟でも、日本一のプロデューサーが後ろについている限り、現場で実績を積み続けられるでしょう。秋元さんは今までさまざまなドラマを成功させてきたし、引き続き西野にも活躍の場を用意することができると思います」(民放ドラマプロデューサー同)


秋元康から離れることで西野は開花する!?

 思えば、AKB48で圧倒的な人気を誇ったも、卒業後は有名ドラマに出演を続けていたが、その演技力に一般のドラマファンから批判が殺到。それでもめげずに映画や舞台にも挑戦を続け、今日では卒業生で唯一と言えるほど女優としての活動を続けている。西野も今後もドラマ出演を続けていければ、いずれ開花するかもしれない。

「西野が女優として成功するか否かは、秋元さんの下からどうやって離れていけるかにかかっていると思います。秋元さんは作品において主点を作り出すことはできますが、演技をつけることはできないです。前田さんも、山下敦弘監督などさまざまな監督に評価されたことで、実力をつけていきましたからね」(放送作家

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、西野の女優としての可能性についてこう分析する。


SNSを盛大に巻き込んだ『あな番』効果は予想以上にすさまじく、これをステップに女優として飛躍するためのお膳立てはばっちりと言えるでしょう。ただし、昨年放送された主演ドラマ『電影少女~VIDEO GIRL AI 2018~』で演じた天野アイといい、今回演じた黒鳥といい、キャラが立っていたので比較的演じやすかったことは間違いありません。果たして等身大の役を演じた時にどこまで演技ができるかはまったくの未知数。その意味で、彼女が次にどんな作品を選ぶか非常に注目が集まりますが、現時点ではまだどのような役が似合うのか、女優としての実力がどれほどあるのかは計り知れません。そういった伸び代も含めて今、人気が高まっていると思いますが、それ以上に大事になってくるのは、本人がどこまで女優として活動したいか、どんな役を演じたいのかだと思います。ここから先、女優としての“覚悟”を問われる場面が必ず待っているでしょう」

 本作で彼女の演技に疑問符がついたということは、それだけ一般視聴者の目に留まったということだろう。西野は現在、経済産業省のCMにも出演中で女性誌でもモデルを務めるなど、女性ファンの獲得にも力を入れている。今回、演技を酷評されえたことでかえって大きな一歩を踏み出したのかもしれない。