立憲民主党と韓国・文政権の共通点!? 実態伴わぬ最低賃金引き上げ…経済政策として論評に値せず

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立憲民主党は7月21日投開票の参院選に向けた公約で、5年以内に最低賃金1300円への引き上げ▽年金の最低保障機能強化▽消費税10%への引き上げ凍結と金融所得課税や法人税などの見直し、税の累進制強化▽自然電力100%を目指す-などとしている。

 

一般に左派政党の建前は、「雇用重視」だ。しかし、実際には雇用を作る根本原理が分からず、目に見えやすい賃金に話が行きがちだ。雇用を作るためには金融政策なのだが、金利の引き下げは、モノへの設備投資を増やすとともに、人への投資である雇用を増やすことになるのを分からない。その間違いをする人は、「金融引き締めで金利を上げることが成長にいい」とか言いがちだ。

 立憲民主党枝野幸男代表は、かつて筆者とテレビ番組で討論したが、その時の発言がその典型だった。その後も、枝野氏は意見を変えているように思えない。そうした勘違いの末、政策としてやりやすいのが最低賃金の引き上げとなったのではないか。

 旧民主党もこれで失敗した。2010年の最低賃金は、引き上げるべきではなかったが、左派政権としての気負いと経済政策音痴から、前年比で2・4%も引き上げてしまった。

 大ざっぱな計数では、最低賃金の上昇率は「5・5」から前年の失業率を差し引いた数値程度が良い結果となる。前年の失業率が5・1%だったので、無理のない引き上げ率はせいぜい0・4%程度だ。

 

実態に見合わない賃金の引き上げは、結果として雇用の悪化につながった。民主党政権で失業率は形式的に低下したが、「就業者」と「働く意欲のある人」がともに減少し、働く意欲のある人がより減ったため、結果として失業率が下がったのであり、ほめられたものではない。

 民主党政権で就業者数は30万人ほど減少したが、第2次安倍晋三政権では300万人以上も増加した。

 大学卒業者の卒業年の就職率について、民主党時代の2011年は91%だったが、安倍政権の18年は98%だ。社会人になっていない学生は雇用の既得権もないので、政策による雇用創出の巧拙の影響がもろに出る。

 韓国の文在寅ムン・ジェイン)政権も左派の経済政策音痴丸出しだった。18年1月、最低賃金を16・4%引き上げた。その結果、失業率は3・6%だったが、1年後には4・4%まで上昇し、5月には4・0%と高止まりしている。

 立憲民主党が政権を取る可能性は少ないので、あまり心配することはないが、5年以内に最低賃金1300円への引き上げたら大変なことになる。18年の最低賃金は874円なので、年率11%の上昇が必要だ。まるで文政権並みのむちゃくちゃさで、経済政策として論評に値しない。

 

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