手紙が書けない子ども増加 SNS普及が背景に

NHK NEWS
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ことしの全国学力テストでは、中学校の国語で、手紙の書き方を尋ねた問題が出されましたが、正答率は6割に届きませんでした。子どもたちにもSNSが普及していることの表れとみられますが、専門家は「手書きの手紙でしか伝えられない気持ちはあると思うので、子どもたちには大切にしてほしい」と話しています。

文部科学省が全国一斉に行い、31日結果が公表された「全国学力テスト」の中学校の国語では、手紙の正しい書き方を尋ねる問題が出されました。


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正しい書き方は、右隅に住所を記し、真ん中に敬称をつけた宛名を記す必要がありますが、正答率は57.4%にとどまりました。

間違った例としては、宛名と住所の位置を逆に書いたものや、住所に続けて、メールアドレスを記したものなどがあったということです。


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手紙の書き方を尋ねた問題は、平成24年度の調査でも出されましたが、その時の正答率は74.2%で、今回はそれと比べて、17ポイント近く低くなりました。


日本郵便によりますと、年賀はがきの発行数はSNSやメールの普及に伴いピークだった平成15年度から4割以上も減少したということで今回の結果も、子どもたちがSNSの普及で、手紙を書く機会が減ったことが背景にあると見られます。

日本語学者で、杏林大学金田一秀穂特任教授は「少し寂しい結果ですが、子どもだけの問題ではない。年賀状を出さなくなるなど大人も手紙を使わなくなって家庭でも触れる機会が減ったのではないか。今はメールが主流になっているとはいえ、手書きの手紙でしか伝えられない気持ちはある。将来、手紙の良さは見直されると思うので、子どもたちは大切にしてほしい」と話していました。