香港、無許可で大規模デモ=一部過激化、警官隊は催涙弾

時事通信ニュース
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 逃亡犯条例改正案に端を発した反政府抗議活動が続く香港で31日、再び大規模デモが行われた。警察当局は許可しなかったが、大勢の市民が香港島中心部の幹線道路を行進。デモ隊の一部が政府本部に火炎瓶を投げるなど過激化し、警官隊はデモ隊を排除するため政府本部前や立法会(議会)の敷地内で催涙弾を発射、放水車も使用した。

 この日のデモは当初、民主派団体「民間人権陣線(民陣)」が計画していたが、当局が安全上の理由で許可せず、民陣はデモ中止を表明した。しかし、インターネット上で「買い物」や「散策」名目で中心部への集合が呼び掛けられ、呼応した市民が行進を始め、改正案の完全撤回や警察の責任追及、普通選挙の実施を含む「五大要求」を訴えた。


 香港では30日、2014年の抗議活動「雨傘運動」の元学生団体リーダー黄之鋒氏や民主派女性幹部の周庭氏、3人の民主派立法会議員らが相次いで逮捕された。締め付けを強める当局側にデモ隊側は対決色を鮮明にしている。

 31日のデモに参加した女子大学生(20)は「自分もいつ逮捕されるか分からないので怖い。でも、ここで前に進むことをやめたら政府の思うつぼだ」と話した。

 9月2、3両日には、再び業種をまたいでの大規模ストライキが計画されている。これまでにIT、小売り、物流、航空業界などが賛同の意を表明したほか、学生団体も授業のボイコットを呼び掛けている。