香港当局、デモ参加者44人を暴動罪で起訴 一連の抗議活動で初めて

ロイター
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 中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡る混乱が続く香港で、前週末のデモ隊と警官隊の衝突で拘束されたデモ参加者のうち44人が暴動罪で起訴された。これを受け、デモ隊数百人は30日、警察署を包囲して参加者の釈放を要求した。

デモ参加者が暴動罪で起訴されたのは、改正案に対する抗議活動が始まって以来初めて。そのほか1人の参加者は凶器を所持していた罪で起訴された。

28日のデモで警官隊は、催涙ガスやゴム弾などを使って中国政府の出先機関に向かうデモ隊を強制排除した。

3カ月前に始まったデモはこのところほぼ毎日行われており、警察との衝突も頻繁に起きている。参加者は条例改正案の撤回を求めるだけでなく、香港政府や中国政府への反発を強めている。

デモ隊は、拘束された参加者の一部が保釈されるのを前に警察署を取り囲んだ。警官隊との衝突が再び起き、警官1人がデモ隊を追い払うために銃を振りかざした。起訴された参加者の一部は31日に出廷する見通し。

この日は朝のラッシュ時間帯に数百人のデモ隊が通勤列車の運行を妨害し、多数の通勤客が代替輸送手段の利用を余儀なくされるなど、大きな混乱が生じた。

デモに参加していた21歳の女性は「人々に迷惑をかける意図はないが、なぜ私たちが抗議しているのかを当局に理解してもらう必要がある。必要な限り続ける」と話した。

デモ隊の妨害行為で列車の遅延や運行停止が相次いだことから、午前遅くには香港内の各駅の構内は混雑状態となった。

中国当局は29日、香港のデモについて異例の記者会見を開き、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官および香港警察への支持をあらためて表明するとともに、暴力行為に反対するよう香港市民に呼び掛けた。